見かけ倒しのWディスク
1978年当時では画期的な装備だった?
いかにも効きそうなダブルディスクを装備するローライダー。
ハーレーは総じてリアブレーキで乗る。フロントブレーキが効きすぎて事故ると訴訟案件になるから、わざと効かないようにしているといわれるほど。
まあ、リアはちゃんと機能するので普通に走る分には問題はないのです。
ただ、ツーリング時の雨の中、特に街中を走るとヒヤリとすることがあるのです。パッドを換えたりキャリパーを換えても前後ブレーキのバランスが崩れると危険だという意見も聞きます。
いろいろ調べてみたところ、あの「サンダンス」がレース経験をフィードバックしたフォークスプリングを作っていて、ブレーキ性能向上もうたっていました。
まずは分解 現状確認!
一般的なフロントフォークメンテナンスを頭に、分解していくと…いくつか異なる点が
その①
フォーク先端のトップキャップを外す時は、内部のバネのテンションがかかっているので抑えながら注意しないと顔面パンチを喰らう!と聞いていた。
ところが、なんの反発もなく外れた。バネのテンションはかかっていなかった。
その②
一般的にフロントフォークはトップブリッジとステムの下側の二か所のボルトを締め付けて車体に固定されている。・・・はず
だが、FXSはトップブリッジでは締め付けられていない。そのかわりキャップボルトがフォークの径よりも大きいため下側には抜けないようになっている。
フォークの底のボルトでインナーチューブを固定しているので、これを外す。ここは定番でした。
その③
アウターチューブにオイルシールが圧入されており、その内側にはスライドメタルというパーツも付いているため、インナーチューブをまっすぐに、コンコンって引き抜くとオイルシールごと外れる。はず・・・
しかし、FXSはインナーチューブがスルスルと抜けます。すなわち、スライドメタルなど、オイルシールに引っ掛かるパーツは何も付いていません。
いざ トラックテックへ交換
まずは比較です。
交換するのは、内部のバネのみです。一番下がノーマルでその上がサンダンスのトラックテック。
2本のバネとアルミスペーサーに専用フォークオイルのセットでした。
バラしついでに各部の清掃。このパーツでオイルの減衰を調整するみたいです。
今回一番苦労したのが、古いオイルシールの取り外し。
ドライバーでこじったりするもビクともしない。アウターに傷つけるのが怖いので、バーナーで内側のゴムを焼いて、オイルシールプーラーで抜きました。
コイツです。テコの原理で
逆に、入れるのは意外に簡単でした。大径(34ミリ)のソケットがあったので打ち込みました。
あとは、反対の手順で組んでいくだけです。
組付け時の要領等は一般的なフォークのメンテナンスを参考に。
組んだあと、ローライダーの顔ともいえる「フォークブラケットカバー」を入れ忘れていたことに気づきましたが、再度バラすのは面倒くさかったので、次回タイヤ交換時に戻すことにしました。(笑)
見えないところに、誇らしげに「JAPAN」の刻印が。日本のものづくりが再び世界のNo1に浮上することを切に願わずにはおられません。
さて 交換後の印象はいかに
まず組立て時にキャップボルトを取り付ける際、バネを数センチ(取説ではバネの上にアルミのパイプを組んだあと17ミリの空間が開くように指示あり)押し込みながらキャップを締めたので、明らかにノーマルよりテンションがかかっている。
走り初めに感じたのは、フロント周りの落ち着き感。以前は低速ではハンドルがフラフラする感じだったのでびっくり。
次に、目的のブレーキの効き具合。レバーの握り始めがカチっとしており、上り坂でフロントのみでも下がることもなく、前後のバランスも向上している。
総合的に、4万円ほどでこの変化、自分としては大満足です。さすがサンダンス製!
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